おけもん式ストレングス入門

人間関係構築力 / Relationship Building

包含

INCLUDER

輪ができた時、外側に立っている人から目に入ってしまう人へ。

「誰とでも仲良くていいね」と「八方美人だね」が、同じ日に届くことがあります。目が行くのは、その部屋に一人で立っている人です。友達の人数は、たぶん数えていません。 Gallup公式のBring/Needと、自分で確かめられる欄を並べました。

資質徹底解説シリーズ 28 / 2026年9月版 / 読むのに約10分(詳細を開くと+3分)

3分で読むなら01のあるあると、02のチェックだけ。 10分なら05の書き込み欄まで。 他の33資質を見る

このページの並び(6つ)
  1. 01 この資質の人に、起きていること
  2. 02 日なた側と、地下室側
  3. 03 隣の資質と、見分ける
  4. 04 いらっ・もやっポイントになるかも?
  5. 05 今日から、できること
  6. 06 包含を持つあなたへ
01

この資質の人に、起きていること

貸し切りの部屋で乾杯したあと、いちばん端の席だけが静かなことに気づきます。椅子をそちらへ寄せにいくと、「誰にでもいい顔するね」と返ってくることがあります。

こちらが数えていたのは、仲の良い人の数ではありません。同じ部屋にいるのに、どの輪にも入っていない人が一人いる。 たとえるなら、会場の椅子が一脚だけ壁を向いている感じです。誰も困っていないのに、なぜか目がそこへ戻ります。

Gallupは包含を、人間関係構築力(Relationship Building)の資質に置いています。担当しているのは、輪そのものの線を引き直すほうです。資質図解ガイドの言い方では、包含は「誰も取り残さない」資質とまとめられています。

外に一人いるだけで、こちらの落ち着きが先に持っていかれる。八方美人という言葉は、たいていこの落ち着かなさに向けて出てきます。

近い場所に社交性(Woo)があります。社交性が向かうのは、まだ知らない人です。話してみたい相手が向こうにいる。包含が向かうのは、もう同じ部屋にいるのに輪の中に立てていない人です。一歩ぶんだけ、行き先が違います。

心当たりがあるかどうかは、この4つで

  • 集合写真のシャッターを押す前に、いつも人数を数えている。 撮ってと頼まれただけなのに、画角からはみ出している人がいないかを先に確かめている。 見ているのは構図より人の並びです。惹かれるものが、そのまま目の動きに出ています。
  • 飲み会の席で、いちばん端の人の前に取り皿を置きにいっている。 話に入れていない人が一人いると、自分の前の料理に手がつかない。 気を遣っているというより、全員が入ったかどうかで、こちらの体の落ち着きが決まります。理由はこのあとの Need の行に一行で書いてあります。
  • 新しく来た人の名前を、その日のうちに一度は口に出して呼んでいる。 呼ばれた人の肩がすこし下りるところまで見えているので、口のほうが先に動く。 誰が入れずにいるかをつかむのが早い。覚えの早さは、この見つけ方に出ます。
  • 解散したあと、来られなかった一人にだけ写真を送っている。 「楽しかったよ」の一言で済ませずに、その人の話題が出た一枚を選んで送る。 返ってきたスタンプ一個で、その日がやっと終わった感じがするなら、満足はそこから来ています。
Gallup公式の言葉で確かめる(才能の5つの手がかり/Bring・Need)

端の席に椅子を寄せた、あの数秒のことです。才能の見つけ方として、Gallupは「5つの手がかり」を挙げています。惹かれるもの・覚えが早いこと・没入・一瞬の卓越・深い満足。あれは世話好きというより、惹かれるものが動いた瞬間でした。

そのうえで、公式には34資質ぶんの Bring/Need という一文があります。包含のぶんとして公式が置いているのは、この2行です。

Bring:もたらすもの 多様性を受け入れる、高い寛容さ

a high level of tolerance with acceptance of diversity

Need:必要とするもの 全員が入れる余地

room for everyone

出典:Gallup公式 Bring and Need Statements for All 34 Themes(人間関係構築力/Includer)

この2行には、それぞれ別の使い道があります。Needのほうは、地下室の手前で足を止めるための目印です。席が最初から決まっていて増やせない場所に長く座っていると、元気が出なくなります。

Bringのほうは、自分の持ち場を名乗るときの一行として。出どころが公式レポートなので、プロフィール欄にも提案書にも、そのまま置けます。

なお、Needが正反対の資質が同じ人の上位に並ぶことがあります。公式の例は、調和性の「合意点が要る」と指令性の「挑戦と対立が要る」。

Gallupはこれを矛盾として扱いません。片方を削るかわりに、両方へ出口をつくる形で見ます。包含なら、入る人を選ぶ場は守ったまま、そこに入りたい人が自分で手を挙げられる形を1つ作るのが出口です。

才能のテーマは人に貼りつけるラベルではない、という一文もGallupにあります。読んで出てきた見え方は、相手を決めつけるための道具ではありません。

02

日なた側と、地下室側

同じ一言で輪が広がった日と、同じ一言で誰かの逃げ場が消えた日。Gallupはその差を、階の高さで説明します。上の階がバルコニー、下がベースメントです。

バルコニーは、そのテーマの良い出方。ベースメントは、誤用・不健全・意欲が落ちた状態での出方=「潜在的な脆弱性」。

any strength used in an unhealthy manner can sometimes be a weakness

出典:Gallup公式(Balcony and Basement)/当サイトの整理ノート

バルコニー(日なた側) 外にいた人が、輪の内側に立っている。
ベースメント(地下室側) 広げた輪が、入りたくない人まで巻き込んでいる。
変わるのは資質そのものではなく、その日の出方です。下のチェックは、どちらの階に足が向いていた時期かを見るためのものです。

日なた側(バルコニー)

力がプラスに働いていた時の出方です。

地下室側(ベースメント)

同じ力の向きが変わっていた時の出方です。

日なた側 0 / 4 地下室側 0 / 4

まだ印がついていません。ここ1〜2週間を思い出しながら、心当たりのある行に触れてみてください。

地下室から上がる、公式の出口は2つです

  • 満たされていないニーズを、先に見る

    資質が地下に落ちるのは、その資質のニーズが満たされていない時が多い、とGallupは言っています。

    包含のニーズは「全員が入れる余地」。席数が先に決まっている場、入れる人があらかじめ選ばれている場に長く置かれると、行き場をなくします。振る舞いを直すより先に、椅子を一脚足していい場が手元にあるかを見ます。

  • 別の資質のバルコニーを出す

    公式の処方は「To avoid the basement of one theme, lean into another theme!」。ひとつのテーマの地下を避けるには、別の資質のバルコニーを出す。

    包含を弱める必要はありません。「全員が入れる余地」を、自分ひとりの手で作らなくていい、という話です。上位の別の資質を1つ選んで、余地の作り方をそちらに任せます。

03

隣の資質と、見分ける

人といるのが好き、で一括りにされる4つを並べます。分かれるのは、輪のどこに目が行くかです。

包含と、似ていると言われやすい4資質。
資質見ているもの動き出す合図
包含輪の外にいる人「あの人も入れよう」
社交性まだ知らない人「あの人と話してみたい」
親密性長く続く関係「もっとこの人を知りたい」
公平性人によって変わる差「それ、みんな同じ?」
調和性全員が立てる床「そこ、たぶん同じこと言ってる」

いちばん取り違えられるのが親密性です。親密性が増やすのは一人との深さで、包含が増やすのは席の数です。たとえば同じ集まりで、片方は二人で話し込み、片方は入れていない人を数えています。ただ、手が伸びる先が違うだけです。

掛け合わせると、味が変わります

  • × 共感性

    外にいる人が、入りたいのか一人でいたいのかまで届きます。声をかける前に相手の温度が分かるので、引っぱらずに済みます。

  • × アレンジ

    席順や班分けごと組み替えられる。誘って回らなくても、外にいた人が自然と真ん中あたりに来る形を作れます。

  • × 活発性

    「今度誘おうか」で止まりません。思いついたその場で連絡が飛ぶので、次の集まりから顔ぶれが変わります。

「誰にでもいい顔するね」と言われたときは

  • 誰にでもいい顔すると言われる一人だけ外にいる状態が、落ち着かない
  • そこまで気を回さなくていいのに、と言われる回しているのではなく、空いた席のほうが先に目に入る
  • 広く浅いと言われる入口を開ける係で、深さは別の資質の担当
  • 誰でもいいんでしょ、と言われる誰でもよくはなく、外に立っている人が見えている
Gallup公式の言葉で確かめる(弱みの定義/弱みの扱い方4つ)

弱みとは、あなたの成功の邪魔をするものすべて。

Gallup defines a weakness as anything that gets in the way of your success.

下位の資質も邪魔をしうる。ただし、それらは必ずしも弱みではない。単に、自然には出てこないだけ。

出典:Gallup公式 What Is a Weakness?/当サイトの整理ノート

セッションで、頼まれてもいないのに人を集めてしまう、と話した方がいます。ご本人の言葉では「……勝手にランチとか集めちゃう」「……結構巻き込んじゃいますね」。決めてから動くより先に、気づくと集め終わっている、という話でした。

出典:おけもんのセッションでの観察。個人が特定できる内容は載せていません。

34位のそばにある資質は、壊れている場所ではありません。放っておくと出てこないだけです。

自分の弱みかは公式の3つで見ます。①成功を損ねたことがあったか。②ネガティブなフィードバックを受けたことがあるか。③役割上使うが、使うと消耗するか。

扱い方も4つ決まっています——Claim them(知る)/Collaborate(支えを頼む)/Apply a strength(別の資質で同じ結果へ)/Just do it(腹をくくる)。

「弱みに投資しても、強みには決してならない」。公式が用意しているのは、鍛え直す道ではなく、扱いを決める道です。

公式レポートの一文も、同じことを言っています——「あるドメインに上位資質がなくても心配いりません」。別の資質を使って、同じ場所に着いているだけです。

04

いらっ・もやっポイントになるかも?

資質は、うまくいった時だけでなく、大事にしているものが通らなかった時にも顔を出します。包含の場合、それはたいてい、誰かが輪の外に置かれたままになっている時です。

ここに並ぶのは「そうなりやすいかも」という目安です。当てはまらない行があっても、包含が弱いということではありません。

こんな時、もやっ・いらっとしやすいかも

  • 飲み会の二次会がいつもの数人だけでその場で決まって、端にいた人が声をかけられずに帰っていくと、もやっとするかも。 二次会が嫌なのではなく、Needの「全員が入れる余地」が、そこで急に狭まったように感じるのかもしれません。
  • LINEグループの中に、知らないうちに別の小さいグループができていたと分かると、しんどくなるかも。 入れてもらえなかった悔しさより、線が引かれたこと自体に反応しているのかも。
  • 会議で「うちの部署は」「あっちの部署は」と、話がこちらとあちらに分かれていくと、いらっとするかも。 分け方そのものより、同じ場にいる人が「あっち」に置かれていくことに反応しています。
  • 同じ仕事をしているのに、特定の人にだけ情報や声かけが先に回っていくと、もやっとするかも。 自分が外された時だけでなく、誰かが外されている時にも、同じくらい強く届きやすい資質です。

その奥にある、ほんとは大事にしたかったこと

もやっとした場面を裏返すと、守りたかったものが出てきます。

  • 二次会で端の人が帰っていったその人も入った輪のまま、最後まで一緒にいたかった
  • 知らない小グループができていた誰でも出入りできる、開いた場のままでいてほしかった
  • 「こっち」と「あっち」に分かれた会議同じ場にいる人を、ひとつの輪として見ていたかった

もやっとした時の問い

  • ほんとは、あの場で誰を輪に入れたかった?

    浮かんだ顔を、1人だけ書いてみます。入れられたかどうかは、いったん横に置いて構いません。

  • 次の集まりで、その1人の席を、どうやったら先に作れる?

    声をかける順番を変える。席を一つ空けておく。来られなかった人に写真を送る。やり方は、たいてい一つではありません。

もやっ・いらっは、包含が大事なものを教えてくれている合図です。感じたこと自体に、良い悪いはありません。「こんなことでもやっとするなんて」と責めるより、「へぇ、ここが大事だったんだ」と眺めるほうが、自分とは仲良くなれます。

ノートに1行書くなら、この形で。「もやっ → ほんとは___したかった。反応してたのは包含かも」

05

今日から、できること

「みんなで行こうよ」と「入りたかったら、ここ空いてるよ」。どちらも同じ誘いですが、後ろのほうだけ、くぐるかどうかが相手の手に残ります。たとえば、扉は開けたまま、くぐるかどうかだけを相手の側に残す。そういう一言を3つ並べました。

  • 「みんなで行こうよ」を、扉を開けた形に言い換える

    その一言は誘いであると同時に、断りにくさもくっついてきます。「入りたかったら、ここ空いてるよ」に替えると、席は用意されたまま、選ぶ手は相手に残ります。

  • その日いちばん静かだった人に、一言だけ渡す

    全員へ均等に回ろうとすると時間が足りません。一人だけ決めて、名前を呼んで一言。輪を大きくする作業と、一人を内側に入れる作業は、ここでは別ものです。

  • 広げない場を、1つ決めておく

    地下室は、誘わなくていい場まで広げにいったところにあります。たとえば「この会は5人のまま」と先に決めておくと、外を数えつづけている体が、そこだけ一度休めます。

書いて持ち帰る(理解する!/受容する!/活用する!)

Gallup公式が置いている3段階です。理解したところで止まることを、公式は Name it のループと名前で呼んで、失敗として数えます。書ける行だけで構いません。

理解する!(NAME IT!)

この資質の説明の中で、強く共感できる説明は何ですか?

このページから1行、そのまま抜いてきてください。

受容する!(CLAIM IT!)

この資質が、過去、あなたの成功に役立ったのはいつですか?

公式の定義は「行動に表れた自分の才能を認識し、感謝する」。思い出すだけでは半分です。

活用する!(AIM IT!)

これからもっと意図的にこの資質を利用できる方法を2つ挙げてください。

公式はこの手前に「どこへ行きたいか。あなたにとっての卓越とは何か」を置いています。

これから育てるもの

上の3つを見て、これから育てると決めたことを1つだけ書いてください。

1つで足ります。3つ書くと、3つとも誰かを入れる話になって、自分の欄がまた最後に回されます(笑)

書いた内容は、この端末のブラウザにだけ残ります

包含を持つ、あなたへ

集合写真を撮り終えて、画面で確かめている数秒です。全員そろった一枚のはずなのに、来られなかった一人の顔が先に浮かぶ。あの数秒の心当たりは、たぶんいくつかあると思います。

外を数えているのは自分だけだ、という感じになる日があります。まわりは笑っているのに、こちらだけ一人ぶん足りない気がしている。口に出すと場が止まるので、たいてい言わずに帰ります。

その一人を数えている人がいたから、去年より椅子が増えた場所があります。増えた椅子は、誰が足したのかを覚えていません。最初から大きい輪だったという顔をして、そこにあります。

全員を入れきる必要は、たぶんありません。今日は外にいたい、という日は誰にでもあって、それも輪のうちです。今日あなたが名前を呼んだ人は、どんな顔をしていましたか。

資質徹底解説シリーズ / 28 包含(Includer)・2026年9月版

このページが使っている一次情報

  • Gallup公式 34 CliftonStrengths Themes(包含/人間関係構築力)
  • Gallup公式 Bring and Need Statements for All 34 Themes(Bring/Need の原文)
  • Gallup公式 How to Develop Strengths/What Is a Weakness?(弱みの定義・管理4法)
  • Gallup公式 日本語版ワークシート「理解する!/受容する!/活用する!」(Name it / Claim it / Aim it)

このほかに、当サイトで使っている「資質図解ガイド」(34資質の要約メモ)を参照しています。これはGallup公式の資料ではなく、当方の整理です。本文でそこから引いた箇所は「資質図解ガイドの言い方では」と書き分けています。

日本語訳は当方のもの、英語を併記した箇所はGallupの表記そのままです。