おけもん式ストレングス入門

影響力 / Influencing

コミュニケーション

COMMUNICATION

言葉にしてはじめて、自分が何を思っていたか分かる人へ。

知らない人に駅までの道を聞かれて、「まっすぐ」で足りるところを「赤い看板が見えたら、そこを右」まで言ってしまう。 相手が角を曲がるまで見送ってから歩き出しています。

資質徹底解説シリーズ 21 / 2026年9月版 / 読むのに約9分(詳細を開くと+3分)

3分で読むなら01のあるあると、02のチェックだけ。 10分なら05の書き込み欄まで。 他の33資質を見る

このページの並び(6つ)
  1. 01 この資質の人に、起きていること
  2. 02 日なた側と、地下室側
  3. 03 隣の資質と、見分ける
  4. 04 いらっ・もやっポイントになるかも?
  5. 05 今日から、できること
  6. 06 コミュニケーションを持つあなたへ
01

この資質の人に、起きていること

昨日見た映画の感想が、人に話しているうちに決まっていきます。黙って思い出していた時は、面白かった、しか出てこなかったのに。

考えてから話しているわけではありません。腕を組んだ10分より、二言三言こぼした3分のあとで答えが出ています。

外から返ってくるのは、おしゃべり、口が達者、話が長い、あたりです。どれも出てきた量だけを見た言い方です。

実際に手が動いているのは、鏡の角度を変えるみたいに、相手の目が止まる言い方を探し続けるところです。中身は最初から変わっていません。

資質図解ガイドの言い方では、自分の考えを言葉に表すのが簡単で、物事を印象的に説明するのが上手、となります。

Gallupがコミュニケーションを置いているのは影響力(Influencing)。人の中で何かを動かす側の資質が並ぶ場所です。

喋ることは出力ではなく、考える作業そのものです。口をふさがれた場でいちばん消耗するのは、たぶんそのせいです。

心当たりがあるかどうかは、この4つで

  • 道を聞かれると、目印をつけずには説明できない。 「2つめの信号を右」で通じるのに、「郵便ポストが見えたら、そこ」まで足している。 相手の頭に絵が浮かんだかを、その場で確かめています。惹かれるものは、この手つきに出ます。
  • グループLINEの1行を、送る前に3回書き直している。 中身はまったく同じで、入れ替えているのは語尾と順番だけ。 並べ方で届き方が変わるのを、習わずに知っています。覚えの早さは、たぶんここです。
  • 喫茶店で、頼んだコーヒーが冷めきっている。 相槌に合わせて言い方を替えるうちに、2時間が30分に感じている。 話すことと考えることが同じ作業になっています。没入が出ているのは、この時間の溶け方です。
  • 全員が静かだった会のあとが、いちばん疲れて帰ってくる。 何もしていないはずなのに、喋り通した日より足が重い。 返事の返ってこない時間が、いちばん燃料を食います。裏返しに出た「深い満足」の目印です。
Gallup公式の言葉で確かめる(才能の5つの手がかり/Bring・Need)

才能の手がかりは5つあるとGallupは言います。惹かれるもの、覚えが早いこと、没入、一瞬の卓越、深い満足。上の4つは、そのうち4つに当ててあります。

公式の Bring/Need は34資質ぶんあります。コミュニケーションの行はこうです。

Bring:もたらすもの 聞かれるべきメッセージへの注意

attention to messages that must be heard

Need:必要とするもの 壁打ち相手、聴衆

a sounding board, an audience

出典:Gallup公式 Bring and Need Statements for All 34 Themes(影響力/Communication)

この2行は、調子の読み方になります。誰にも話さずに済ませる週が続いて理由もなく重いなら、切れているのはNeedの側です。

公式がBringに置いたのは「話のうまさ」ではなく「注意」です。埋もれたまま流れるはずだった一件に、人の目を止めさせる力。そういう書かれ方です。

もうひとつは、自分を紹介する一行として。「聞かれるべきことに、人の注意を向けます」は公式レポート由来なので、売り込みになりません。

同じ人の上位に、Needが真逆の資質が並ぶことがあります。公式の例は、調和性の「合意点が要る」と、指令性の「挑戦と対立が要る」。Gallupはこれを矛盾として指摘せず、どちらにも出口を用意します。

02

日なた側と、地下室側

同じ喋りやすさでも、黙っていた人の言葉まで引き出す日と、こちらの声だけで場が埋まる日があります。その2つの名前が、バルコニーとベースメントです。

バルコニーは、そのテーマの良い出方。ベースメントは、誤用・不健全・意欲が落ちた状態での出方=「潜在的な脆弱性」。

any strength used in an unhealthy manner can sometimes be a weakness

出典:Gallup公式(Balcony and Basement)/当サイトの整理ノート

バルコニー(日なた側) 言葉になったものが、相手の中で絵に変わっている。
ベースメント(地下室側) 話しているうちに、相手の番が無くなっている。
変わるのは資質そのものではなく、その日の出方です。下のチェックは、どちらの階に足が向いていた時期かを見るためのものです。

日なた側(バルコニー)

力がプラスに働いていた時の出方です。

地下室側(ベースメント)

同じ力が、聞き手の側を追い越してしまった時の出方です。

日なた側 0 / 4 地下室側 0 / 4

まだ印がついていません。ここ1〜2週間を思い出しながら、心当たりのある行に触れてみてください。

地下室から上がる、公式の出口は2つです

  • 満たされていないニーズを、先に見る

    資質が地下へ降りるのは、多くの場合そのニーズが枯れている時だ、とGallupは見ています。

    コミュニケーションのニーズは「壁打ち相手、聴衆(a sounding board, an audience)」です。

    ひとりで抱えたまま何日も過ぎると、力は、聞く用意のできていない相手へ一度に流れ込みます。

    今週どこで誰に話せるのかを、先に1つ確保しておきます。

  • 別の資質のバルコニーを出す

    公式の処方は1行です——「To avoid the basement of one theme, lean into another theme!」。落ちた資質を直しにいくのではなく、別の資質の日なたへ足を移します。

    ここで効くのは、聴衆を探す力ではなく、聞き手へ向く上位資質です。相手が話し終えるまでの3秒を、その資質に預ける。満たす場所だけが動きます。

03

隣の資質と、見分ける

「よく喋る人」でまとめて呼ばれる4つを並べます。口が開く理由は、それぞれ別です。

コミュニケーションと、似ていると言われやすい4資質。
資質見ているもの動き出す合図
コミュニケーション伝わったかどうか「その言い方なら、届く」
社交性まだ知らない人「あの人と話してみたい」
自我自分が残す意味「これ、やる意味ある」
共感性相手の感情「いま、しんどそう」
内省考えている途中の自分「ちょっと待って、いま考えてる」

いちばん近いのは社交性です。社交性の合図は知らない人がいること、コミュニケーションの合図は伝えたい中身があることです。

たとえば、何年も一緒にいる相手ひとりを前にして、それでも言い方を探し続けているなら、動いているのはコミュニケーションの側です。

掛け合わせると、味が変わります

  • × 内省

    話す前に、一度沈む時間が入ります。資質図解ガイドは、内省は一人の時、コミュニケーションは人と話す時に深まる、と書き分けています。

  • × 共感性

    相手の温度を受け取ってから、言葉を選びます。図解ガイドが助言に置くアクティブリスニングを、練習する前から持っている並びです。

  • × 活発性

    言った瞬間に、もう動き出しています。口に出た案が号砲みたいに効くので、話がきれいなまま棚に残りません。

「話が長いね」と言われたときは

  • おしゃべりだと言われる言葉にして、はじめて自分にも見えてくる
  • 話が長いと言われる相手の顔が動くまで、言い方を替え続けている
  • 口が達者だと言われる勝ちにいっているのではなく、届く形を探している
  • 調子がいいねと言われる相手が替われば、届く言い方もそのつど替わる
Gallup公式の言葉で確かめる(弱みの定義/弱みの扱い方4つ)

弱みとは、あなたの成功の邪魔をするものすべて。

Gallup defines a weakness as anything that gets in the way of your success.

下位の資質も邪魔をしうる。ただし、それらは必ずしも弱みではない。単に、自然には出てこないだけ。

出典:Gallup公式 What Is a Weakness?/当サイトの整理ノート

セッションで、こんな言葉が出たことがあります。届いた手応えの先に、まだ使い道が欲しい、という話でした。

「初対面の人からすぐに信頼を勝ち取る……それで何かにつなげるのはしてみたい」

出典:おけもんのセッションでの観察。個人が特定できる内容は載せていません。

34位の近くに並ぶ資質は、抜け落ちた部品ではありません。呼ばないと出てこないだけです。

自分の弱みかは公式の3つで見ます。①成功を損ねたことがあったか。②ネガティブなフィードバックを受けたことがあるか。③役割上使うが、使うと消耗するか。

扱い方も4つ決まっています——Claim them(知る)/Collaborate(支えを頼む)/Apply a strength(別の資質で同じ結果へ)/Just do it(腹をくくる)。

「弱みに投資しても、強みには決してならない」。公式にあるのは、苦手を鍛え直す手順ではなく、持ったまま成果に着く手順です。

公式レポートにはこうあります——「あるドメインに上位資質がなくても心配いりません」。影響力の欄が空いている人も、別の資質で同じだけ人に届いています。

04

いらっ・もやっポイントになるかも?

資質は、うまくいった時だけでなく、大事にしているものが通らなかった時にも顔を出します。コミュニケーションの場合、それはたいてい、言葉が相手に届いたかどうか分からないまま置かれた時です。

ここに並ぶのは「そうなりやすいかも」という目安です。当てはまらない行があっても、コミュニケーションが弱いということではありません。

こんな時、もやっ・いらっとしやすいかも

  • LINEで長めに気持ちを送ったのに、既読のまま半日返事がないと、もやっとするかも。 返事の中身より、言葉が届いたかどうかが見えないことに反応しています。
  • 会議で「発言は手短に」「質問は最後にまとめて」と言われ続けると、いらっとするかも。 話しながら考えが形になる資質なので、言葉にする場が削られると、考えまで止まったように感じやすいようです。
  • 楽しかった出来事を話しはじめたら、相手がスマホを見たまま「へえ」で終わると、しゅんとするかも。 話の出来より、受け取ってもらえた手応えがなかったことに反応しています。
  • 黙々と同じ作業を続けるだけの日が何日も重なると、だんだんしんどくなるかも。 語りたくなる出来事が起きない日が続くと、じわじわ元気が減りやすい資質です。

その奥にある、ほんとは大事にしたかったこと

もやっとした場面を裏返すと、守りたかったものが出てきます。

  • LINEが既読のまま返ってこない言葉が相手に届いたと、ちゃんと確かめたかった
  • 会議で発言を手短にと言われた話しながら、考えを一緒に形にしていきたかった
  • 楽しかった話が「へえ」で終わった同じ場面を思い浮かべて、一緒に笑いたかった

もやっとした時の問い

  • ほんとは、誰に、何を聞いてほしかった?

    届かなかった一言を、宛先ごと1行で書いてみます。うまく言えるかどうかは、いったん横に置いて構いません。

  • その話を受け取ってくれる相手に、どうやったら今週届けられる?

    聞いてくれる1人を先に決める。声で話す場が無いなら、書いて出してみる。届け方は、たいてい一つではありません。

もやっ・いらっは、コミュニケーションが大事なものを教えてくれている合図です。感じたこと自体に、良い悪いはありません。「こんなことでもやっとするなんて」と責めるより、「へぇ、ここが大事だったんだ」と眺めるほうが、自分とは仲良くなれます。

ノートに1行書くなら、この形で。「もやっ → ほんとは___したかった。反応してたのはコミュニケーションかも」

05

今日から、できること

話し終えた地点に、相手の席が残っているかどうか。長さの問題に見えて、たぶん効くのはそちらです。

  • 「つまりね、」を、聞き手に返す一言に言い換える

    「つまりね、」のあとを、聞き手に戻します。「いま3つ言ったけど、どれが引っかかった?」。話の終わりが、相手の番の始まりです。

  • 相手が黙った3秒を、埋めずに置いておく

    資質図解ガイドは、相手の話を遮らず適切なタイミングで質問することを助言に挙げています。3秒数えると、たいてい4秒目に口が開きます。

  • 聞いてくれる相手を、先に1人決めておく

    Needの「壁打ち相手、聴衆」を、空気に任せず自分で用意します。週に一度、結論を求めずに聞いてくれる人と時間を取る。出す先があると、他でこぼれません。

書いて持ち帰る(理解する!/受容する!/活用する!)

Gallup公式の3段階です。読んで分かった状態を、公式は「Name it で止まっている」と呼んで失敗として名指しします。当てはまらない行は空けたままで大丈夫です。

理解する!(NAME IT!)

この資質の説明の中で、強く共感できる説明は何ですか?

このページから1行、そのまま抜いてきてください。

受容する!(CLAIM IT!)

この資質が、過去、あなたの成功に役立ったのはいつですか?

公式の定義は「行動に表れた自分の才能を認識し、感謝する」。思い出すだけでは半分です。

活用する!(AIM IT!)

これからもっと意図的にこの資質を利用できる方法を2つ挙げてください。

公式はこの手前に「どこへ行きたいか。あなたにとっての卓越とは何か」を置いています。

これから育てるもの

上の3つを見て、これから育てると決めたことを1つだけ書いてください。

1つで足ります。言いたいことが3つ浮かぶ資質ですが、3つ書いた週はだいたい全部が流れます(笑)

書いた内容は、この端末のブラウザにだけ残ります

コミュニケーションを持つ、あなたへ

道を聞かれて、赤い看板のところまで説明しました。相手が角を曲がるのを見届けてから歩き出して、少し行ったところで、言いすぎたかな、と思います。

また自分ばかり喋ったな、という帰り道が、たぶん何度もあると思います。数えているのは自分の声の量だけで、相手の肩が半秒ゆるんだ瞬間は数に入りません。

あなたが足した一言のぶんだけ、迷わずに角を曲がった人がいます。目印の無い道を渡された人は、次の角でもう一度立ち止まります。

どこまで足すかは、そのつど自分で決められます。今日あなたの一言で、いちばん相手の顔がほどけたのは、どんな場面でしたか。

資質徹底解説シリーズ / 21 コミュニケーション(Communication)・2026年9月版

このページが使っている一次情報

  • Gallup公式 34 CliftonStrengths Themes(コミュニケーション=Communication/影響力)
  • Gallup公式 Bring and Need Statements for All 34 Themes(Bring/Need の原文)
  • Gallup公式 How to Develop Strengths/What Is a Weakness?(弱みの定義・管理4法)
  • Gallup公式 日本語版ワークシート「理解する!/受容する!/活用する!」(Name it / Claim it / Aim it)

このほか、当サイトの「資質図解ガイド」(34資質の要約メモ)を参照しています。これは公式資料ではなく当方の整理です。

本文でそこから引いた箇所は「資質図解ガイドの言い方では」と書き分けています。日本語訳は当方のもの、英語を併記した箇所はGallupの表記そのままです。