03 — Why This Work
なぜ、この仕事を選んだのか。
高校二年の夏、祖母が脳梗塞で倒れました。在宅で介護することになり、母は夜勤の合間に祖母の体位を変え、父は朝五時に起きて朝食の介助をしていました。私は、救急車を呼んだあの朝の手の震えを、いまでもはっきり覚えています。
祖母は半年後に亡くなりました。葬儀のあと、母が台所で静かに泣いていました。悲しみとはまた別の疲れが、その背中にありました。
社会人になって医療や介護の現場に触れるたびに、あの台所の景色が重なります。在宅の環境を、家族の献身だけに委ねきらない。そのための仕組みを、経営の側から整えたい。この仕事を続けている理由は、結局はそこに尽きます。